グリーン周りからのアプローチ、スコアメイクの鍵を握る重要なショットですよね。しかし、「ザックリやトップが多くてスコアを崩してしまう」「距離感が合わず、なかなか寄せワンが取れない」そんな悩みを抱えていませんか?
特にスコア90〜100前後で伸び悩んでいる方は、アプローチの精度がスコアアップの壁になっていることが多いです。この記事では、そんなあなたのためにアプローチの基本的な打ち方から、距離や状況に応じた応用テクニック、さらにはよくあるミスの解決策まで、網羅的に解説します。
この記事を読めば、あなたのアプローチショットは見違えるほど安定し、自信を持ってグリーンを狙えるようになるでしょう。グリーン周りを攻略し、目標の80台達成への道を切り開きましょう。
アプローチの打ち方の基本

スコアアップを目指す上で、アプローチショットの安定は欠かせません。グリーン周りでのミスを減らし、確実にカップに寄せるためには、まず基本をしっかりと押さえることが重要です。ここでは、アプローチの構え方からスイングまで、確実にマスターしておきたい3つの基本ポイントを解説します。
これらの基本を身につけることで、アプローチショットの再現性が高まり、大きなミスを防ぐことができます。一つ一つのポイントを確認し、安定したアプローチの土台を作り上げましょう。
クラブは短く持って打つ
アプローチショットを安定させる最初のコツは、クラブを短く持つことです。グリップぎりぎりではなく、指2〜3本分ほど余らせて握るのが目安となります。なぜなら、クラブを短く持つことで手元と体の距離が近くなり、クラブコントロールが格段にしやすくなるからです。
特に短い距離のアプローチでは、フルショットのような大きなスイングは必要ありません。クラブを短く持つことで、自然とスイングアークがコンパクトになり、ミート率の向上につながります。手打ちを防ぎ、体を使った安定したスイングを身につけるためにも、まずはクラブを短く持つことから意識してみましょう。最初は少し窮屈に感じるかもしれませんが、慣れてくるとその効果を実感できるはずです。
ボールは右足寄りにセットする
アプローチショットにおけるボールの位置も、安定性を左右する重要な要素です。基本的には、スタンスの中央よりもやや右足寄りにボールをセットしましょう。ボールを右足寄りに置くことで、クラブヘッドが最下点を迎える前にボールを捉える、いわゆるダウンブローの軌道で打ちやすくなります。
ダフリやトップといったミスを軽減する効果も期待できます。また、ダウンブローで打つことで、ボールに適切なスピンがかかり、グリーン上でボールが止まりやすくなります。ボールの位置は、打ちたい球筋や状況によって微調整しますが、まずは右足寄りにセットすることを基本として覚えておきましょう。どの程度右に置くかは、個人差やクラブによっても変わるので、練習で最適な位置を見つけることが大切です。安定したインパクトを迎えるために、正しいボール位置を身につけましょう。
コンパクトな構えとスイングを意識する
アプローチショットでは、大きな飛距離は必要ありません。そのため、構え(アドレス)もスイングもコンパクトにまとめることが基本となります。まず、スタンス幅は肩幅よりも狭くし、目標に対して少しオープンに構えると、体の回転がスムーズになり、振り抜きやすくなります。
フルショットのように大きく振りかぶる必要はありません。距離に応じて振り幅を調整しますが、基本的には腰から腰までのビジネスゾーンと呼ばれる範囲でのスイングを意識しましょう。バックスイングで手首を過度に使いすぎず、体幹を使ってクラブを上げ、ダウンスイング以降も体の回転で打つイメージです。コンパクトなスイングは、ミート率を高め、方向性を安定させる効果があります。力まず、リラックスして、再現性の高いコンパクトなスイングを目指しましょう。

ここまでの基本を押さえておくとアプローチの安定感がぐっと高まりますよ。
距離別のアプローチショットの打ち分け方


グリーン周りと一言で言っても、ピンまでの距離は様々です。10ヤード程度の短い距離から、50ヤードを超える距離まで、状況に応じて打ち方を変える必要があります。ここでは、特に使用頻度の高い10ヤード、30ヤード、50ヤードのアプローチについて、それぞれの距離を正確に打ち分けるためのポイントを解説します。
距離感を身につけるには、自分なりの基準を持つことが重要です。振り幅や使うクラブを固定し、安定して同じ距離を打てるように練習を重ねましょう。自分の感覚と実際の飛距離をすり合わせることが大切です。
10ヤードのアプローチショットのポイント
10ヤードという短い距離のアプローチは、パターの延長線上のような感覚で打つのがポイントです。スタンスは肩幅よりかなり狭くし、目標に対してオープンに構えましょう。クラブはサンドウェッジやアプローチウェッジを使い、かなり短く持って打ちます。
ボール位置は右足つま先の前あたりにセットし、体重は左足に多めに乗せておくことが基本です。スイングは、手首のコックをほとんど使わず、肩の回転で打つイメージです。振り幅は、時計の文字盤で例えるなら、バックスイングが7時、フォローが5時くらいの非常に小さな動きになります。重要なのは、インパクトで緩めないこと。小さい振り幅でも、しっかりとボールをヒットする意識を持ちましょう。力加減ではなく、振り幅で距離をコントロールすることが、10ヤードを正確に寄せるコツです。
30ヤードのアプローチを打つコツ
30ヤードのアプローチは、グリーン周りでの使用頻度が非常に高い距離です。この距離を安定して打てるようになると、スコアメイクが格段に楽になります。基本的な構えは10ヤードと同様ですが、スタンス幅を少し広げ、ボール位置もやや中央寄りにします。
クラブはアプローチウェッジやピッチングウェッジを選択することが多いでしょう。振り幅で距離感を出すことがポイントです。時計の文字盤で例えると、バックスイングが9時からフォローが3時まで、いわゆる「ビジネスゾーン」のスイングが目安となります。手先だけで打つのではなく、体幹を意識し、体の回転でクラブを振ることを心がけましょう。体重移動は最小限に抑え、常に左足に体重が乗っている状態をキープします。リズム良く、一定のテンポでスイングすることが、安定した30ヤードショットを生み出す鍵です。
50ヤードの距離感の合わせ方
50ヤードのアプローチは、中途半端な距離と感じやすく、苦手意識を持つゴルファーが多い距離帯です。しかし、これも振り幅でコントロールする意識を持てば、決して難しいショットではありません。スタンス幅は30ヤードよりも少し広げ、肩幅程度かそれよりやや狭いくらいが目安です。
体の回転を主体とし、腕の振りと同調させる意識が重要です。使用クラブは、アプローチウェッジやピッチングウェッジが一般的ですが、状況によってはサンドウェッジも選択肢に入ります。スイングは、フルショットの半分程度の大きさ、時計で言えばバックスイングが10時からフォローが2時くらいをイメージします。力いっぱい振るのではなく、スイングの大きさで距離を調整することを徹底しましょう。練習場で、自分の基準となる振り幅を見つけることが大切です。



距離ごとの打ち分けをマスターすれば、状況に応じたアプローチがスムーズになりますよ。
アプローチショットでのクラブの選び方


アプローチショットの成功には、状況に応じた適切なクラブ選択が不可欠です。ウェッジには様々な種類があり、それぞれに特徴があります。また、状況によってはアイアンやチッパーを使うことも有効です。ここでは、代表的なクラブとその特徴、そしてどのような状況で使うべきかを解説します。
それぞれのクラブの特性を理解し、最適な1本を選べるようになりましょう。
サンドウェッジを使った打ち方
サンドウェッジ(SW)は、主にバンカーショットで使われるクラブですが、グリーン周りのアプローチでも非常に有効な武器となります。ロフト角が大きく(一般的に56度〜58度)、ソール幅が広くてバウンス角が大きいのが特徴です。この特性により、ボールを高く上げやすく、スピンもかかりやすいため、ピンが近い場合やグリーンエッジからピンまで距離がない状況で活躍します。
打ち方のポイントは、フェースを少し開いて構え、ボールを直接クリーンに打つのではなく、バウンスを使って滑らせるように打つことです。ボール位置はスタンスの中央かやや左寄りに置き、体重は左足に乗せておきます。スイングは、コックを使いすぎず、体の回転で振り子のように打ちましょう。特に、フワッと高く上げて止めたいロブショットのような球を打ちたい場合に最適です。バウンスが大きいため、芝が薄いライや硬い地面からは使いにくい面もあります。
ピッチングウェッジの使い分け方
ピッチングウェッジ(PW)は、サンドウェッジよりもロフト角が立っており(一般的に44度〜48度)、ランが出やすいのが特徴です。そのため、グリーンエッジからピンまで距離があり、ある程度転がして寄せたい状況、いわゆる「ピッチエンドラン」に適しています。ボールを高く上げる必要がなく、障害物もない花道からのアプローチなどで多用されます。
打ち方は、パターに近いイメージを持つと良いでしょう。スタンスを狭め、ボールを右足寄りに置き、ハンドファーストに構えます。手首の動きを抑え、肩のストロークでシンプルに打ちます。振り幅で距離感を調整し、キャリーとランの比率をイメージしながら打つことが重要です。PWは比較的ミスに強く、転がりの計算もしやすいため、アプローチの基本としてマスターしておきたいクラブです。確実にグリーンに乗せ、ピンに近づける確率を高めてくれます。
アプローチウェッジの活用法
アプローチウェッジ(AW)は、ピッチングウェッジとサンドウェッジの中間のロフト角(一般的に50度〜54度)を持つクラブです。ギャップウェッジ(GW)と呼ばれることもあります。その名の通り、PWでは飛びすぎてしまい、SWでは飛ばない、という間の距離を埋める役割を果たします。
AWはボールを適度に上げつつランもそこそこ出せるという非常にバランスの取れた性能を持っています。ピッチエンドランにも、少しボールを上げて止めたい状況にも対応でき、非常に汎用性が高いクラブと言えます。打ち方は、PWとSWの中間的なイメージです。ボール位置やスイングの大きさで、球の高さやスピン量を調整できます。様々なライや状況に対応できるため、グリーン周りで最も頼りになる一本となる可能性を秘めています。自分の得意な距離や打ちたい球筋に合わせて、AWを積極的に活用してみましょう。
アイアンでアプローチする場合の打ち方
グリーン周りのアプローチで、必ずしもウェッジを使わなければならないわけではありません。特に、グリーンエッジからピンまで距離があり、間にハザードがなく、芝の状態が良い花道などからは、アイアンを使った「転がしのアプローチ」が非常に有効です。使用するクラブは、7番、8番、9番アイアンあたりが一般的です。
打ち方は、パターとほとんど同じです。パターのようにグリップし、スタンスもパターストロークのように構えます。ボールは右足寄りにセットし、ハンドファーストを意識します。手首を固定し、肩の回転だけでストロークします。ロフトが立っているため、キャリーはほとんど出ず、ボールはすぐに地面を転がり始めます。メリットは、空中での距離感や方向性のズレが少なく、ミスヒットにも強い点です。確実にグリーンに乗せたい、大きなミスをしたくない、という場合に選択肢に入れてみましょう。距離感は練習が必要ですが、一度覚えれば強力な武器になります。
チッパーを使ったアプローチ方法
チッパーは、パターのような形状をしていますが、アイアンのようなロフトがついているクラブです。主にグリーン周りの短い距離のアプローチを簡単にするために設計されており、「ザックリ」や「トップ」のミスに悩むゴルファーにとって救世主となる可能性があります。
打ち方は非常にシンプルで、ほとんどパターと同じです。パターのように構え、パターと同じようにストロークするだけ。特別な技術はほとんど必要ありません。ボールは自然に少しだけ浮き上がり、あとはグリーン上を転がってピンに向かっていきます。メリットは、打ち方が簡単なため、プレッシャーがかかる場面でもミスをしにくいことです。デメリットとしては、ボールを高く上げたり、スピンをかけたりといった操作が難しいこと、そしてクラブセッティングの1本をチッパーに割く必要があることです。アプローチに苦手意識が強く、とにかくミスを減らしたいという方は、試してみる価値があるでしょう。



クラブの特性を理解しておくと、あらゆる状況でアプローチしやすくなりますよ。
アプローチショットが上達するコツ6つ


基本的な打ち方やクラブ選択を理解したら、さらにアプローチショットの精度を高めるためのコツを習得しましょう。ここでは、スイングの安定性や距離感の向上に役立つ6つの具体的なポイントを紹介します。これらのコツを意識して練習に取り組むことで、あなたのグリーン周りのプレーは格段に進歩するはずです。
安定したアプローチを身につけるための具体的なポイントを押さえましょう。
軌道のイメージを明確にする
アプローチショットを成功させるためには、技術的な要素だけでなく、明確なイメージを持つことが非常に重要です。打つ前に、ボールがどのような軌道を描き、どこに落ちて、どのくらい転がるのかを具体的にイメージしましょう。
例えば、「グリーンエッジぎりぎりにキャリーさせて、そこからなだらかな傾斜に乗ってピンそばまで転がっていく」といった具体的なイメージです。このイメージがあることで、スイングの大きさや力加減、そして使用するクラブの選択がより明確になります。漠然と打つのではなく、成功したときの弾道を頭の中に描くことで、体は自然とそのイメージを実現しようと動きます。素振りをする際も、ただクラブを振るのではなく、イメージした軌道をなぞるように行いましょう。明確なイメージは、自信を持ってショットに臨むための土台となります。
体重は左足に乗せて安定させる
アプローチショットにおいて、安定したインパクトを迎えるためには、体重配分が非常に重要です。基本的には、アドレスの段階から体重の6〜7割程度を左足に乗せておき、スイング中もその体重配分をキープすることを意識しましょう。
左足体重を徹底することでダフリやトップを防ぎやすくなります。体重が右足に残ってしまうと、クラブヘッドがボールの手前に入りやすくなり、ダフリの原因となるからです。また、すくい打ちのような動きにもなりやすく、トップのミスも誘発します。常に左足の上で体が回転するようなイメージを持つと、安定したショットにつながります。
リズム感を一定に保つスイング
アプローチショットの距離感や方向性を安定させるためには、常に一定のリズムとテンポでスイングすることが不可欠です。特に短い距離のアプローチでは、力加減で調整しようとすると、リズムが崩れてミスが出やすくなります。振り子のように、バックスイングとフォロースルーが対称的なリズムになるように意識しましょう。
自分なりのリズムやテンポを確立することでスイングの再現性が高まります。バックスイングで「チャー」、ダウンスイングからインパクト、フォローで「シュー」、フィニッシュで「メン」といった具合です。メトロノームを使ったり、心の中でリズムを数えたりしながら、自分にとって心地よく、安定して振れるリズムを見つけることが大切です。良いリズムは、力みをなくし、スムーズなスイングを生み出します。
ボールの位置で弾道を調整する
アプローチショットでは、ボールの弾道の高さをコントロールすることも重要です。ピンの位置やグリーンの状況によって、高く上げて止めたい場合もあれば、低く出して転がしたい場合もあります。この弾道の調整は、主にボールの位置を変えることで行うことができます。
右足寄りで低めの弾道、中央寄りでやや高めの弾道を打ち分けられます。あまり左足寄りに置きすぎるとダフリの原因になるので注意が必要です。自分の基準となるボール位置を決め、そこから少しずつ調整しながら弾道をコントロールしていきましょう。
手首の角度を一定にキープする
アプローチショットで安定したインパクトを実現するためには、アドレスで作った手首の角度(コック)をできるだけキープしたままスイングすることが重要です。特にインパクト前後で手首をこねるような動きが入ると、フェースの向きが変わりやすく、方向性が安定しません。
ハンドファーストを保ちつつ、手首を使いすぎないシンプルなスイングを心がけると、常に安定したコンタクトが得られます。すくい打ちにならないように、左足に体重を乗せたまま体の回転でボールをとらえていきましょう。
フォローではヘッドを目標方向に向ける
アプローチショットの方向性を安定させるためには、フォロースルーの意識も重要です。インパクトで終わりではなく、目標方向に向かってヘッドをしっかり出していくイメージを持ちましょう。具体的には、フォロースルーでクラブフェースの面が目標方向を向いている状態を目指します。
手先だけでクラブを操作しようとすると、フェースの向きが不安定になりがちです。体の回転を使って、クラブヘッドを目標方向に低く長く出していく意識を持つことで、自然とフェース面が安定し、ボールは狙った方向に飛びやすくなります。また、しっかりとフォローを取ることで、インパクトで緩むことなく、加速しながらボールを捉えることができます。これは、距離感の安定にも繋がります。フィニッシュの形を意識し、毎回同じフォロースルーが取れるように練習しましょう。



これらのコツを日々の練習で意識すれば、アプローチ精度が飛躍的に向上しますよ。
アプローチショットでよくある悩みと解決法


アプローチショットはスコアメイクの要ですが、同時に多くのゴルファーが悩みを抱えるショットでもあります。「シャンクが止まらない」「ダフリやトップばかり」「狙ったところに飛ばない」など、尽きない悩み。しかし、これらのミスの原因を正しく理解し、適切な対策を行えば、必ず改善できます。ここでは、アプローチでよくある悩みとその解決法を具体的に解説します。
原因を知り対策を打てばアプローチのミスは必ず減らせます。
シャンクが出る原因と修正方法
アプローチで最も避けたいミスのひとつがシャンクが出てしまうことです。ボールがクラブフェースのネック部分(シャフトの付け根)に当たり、右斜め前に弱々しく飛んでいく現象を指します。シャンクが出てしまう主な原因は、インパクト時に手元が体から離れて浮いてしまうことです。
また、前傾姿勢が崩れたり、極端なアウトサイドイン軌道になったりすることも原因として挙げられます。修正方法としては、まずアドレスでボールと体の距離が近すぎないか確認しましょう。スイング中は、両脇を軽く締めて、手元が体から離れないように意識します。前傾角度をキープすることも重要です。練習ドリルとしては、ボールの少し外側(つま先側)にヘッドカバーなどを置き、それに当たらないようにスイングする練習が効果的です。これにより、クラブヘッドが外側から入る動きを抑制できます。
ダフリやトップが起きる理由と改善策
ダフリ(ボールの手前の地面を叩いてしまうミス)とトップ(ボールの頭を叩いてしまうミス)は、アプローチで最も頻繁に起こるミスと言えるでしょう。これらのミスの根本的な原因は、スイング中のクラブヘッドの最下点の位置が安定しないことにあります。
ダフリは、最下点がボールの手前になりすぎることが原因です。主な要因として、体重が右足に残ってしまうこと、手首のコックが早くほどけてしまう(アーリーリリース)、スイング軸が右に傾くことなどが挙げられます。一方、トップは、最下点がボールよりも上になってしまう、あるいは最下点がボールの先になりすぎることが原因です。すくい打ちの動きや、体が起き上がってしまう動きが主な要因です。改善策としては、まず左足体重を徹底し、スイング軸を安定させること。そして、手首の角度をキープし、ハンドファーストのインパクトを意識することが重要です。ボールだけをクリーンに拾う練習や、片足(左足)立ちでの素振りなども効果的です。
ショットが左に出る問題の解決ポイント
狙った方向よりもボールが左に飛んでしまう(右打ちの場合)という悩みもよく聞かれます。アプローチでの引っ掛けの原因はいくつか考えられますが、主なものとしては、インパクト時にフェースがかぶりすぎている(左を向いている)こと、そしてクラブ軌道がアウトサイドインになっていることが挙げられます。
フェースがかぶる原因としては手首をこねる動きやグリップがウィークすぎる可能性があります。アウトサイドイン軌道は、バックスイングでクラブをインサイドに引きすぎたり、ダウンスイングで肩が開くのが早すぎたりすると起こりやすくなります。解決ポイントとしては、まずスクエアなグリップを確認すること。そして、バックスイングでクラブを真っ直ぐ引く意識を持ち、ダウンスイングでは体の回転と腕の振りを同調させ、肩の開きを抑えることが重要です。スタンスを少しオープンに構えすぎている場合もあるので、ターゲットラインに対してスクエアに構えることも試してみましょう。
距離感が合わないときのチェックポイント
アプローチでピンに寄せるためには、正確な距離感が不可欠です。しかし、「打ってみたら思ったよりショートした」「逆に大きくオーバーしてしまった」という経験は誰にでもあるでしょう。距離感が安定しない主な原因は、スイングの再現性の低さにあります。
チェックすべきポイントは、まず振り幅が毎回一定になっているかです。力加減で調整しようとすると、振り幅がバラバラになりがちです。時計の文字盤などを利用して、距離に応じた自分なりの振り幅の基準を作り、それを守るようにしましょう。次に、スイングリズムが安定しているかを確認します。急いだり緩んだりせず、常に同じテンポで振ることが大切です。また、インパクトで力が入ったり緩んだりしていないかもチェックしましょう。常に安定したコンタクトを心がけることが、安定した距離感につながります。練習場で、同じ振り幅で何球も打ち、ボールの落下地点がそろうように練習することが最も効果的な方法です。



原因をしっかり把握して対策すれば、悩みの多いアプローチも必ず克服できますよ。
アプローチの打ち方に関するよくある質問


ここまでアプローチの基本から応用、悩み解決法まで解説してきましたが、まだ疑問に思う点もあるかもしれません。ここでは、アプローチに関して多くの方が抱える具体的な質問とその回答をまとめました。これらのQ&Aを通じて、さらに理解を深め、アプローチショットへの自信を深めていきましょう。
アプローチショットのスタンスの基本は?
アプローチショットのスタンスは、フルショットとは異なり、よりコンパクトで安定性を重視した形が基本となります。まず、スタンス幅は肩幅よりも狭くします。狭くすることで、体重移動を抑え、体の軸を安定させやすくなります。
目標方向に対しては、スクエア(目標ラインと平行)か、ややオープンスタンス(左足を少し後ろに引く)に構えるのが一般的です。開きすぎるとカット軌道を助長し、引っ掛けの原因にもなるので注意が必要です。体重配分は左足に6〜7割乗せるのが基本です。これにより、ダウンブローに打ちやすくなり、ダフリやトップを防ぐことができます。自分にとって最も安定して構えられ、スムーズにスイングできるスタンスを見つけることが大切です。
振り幅はどのくらいが理想的?
アプローチショットの距離感は、基本的にスイングの振り幅でコントロールします。理想的な振り幅は、一概に「これ」と決まっているわけではなく、個人の体力やスイングタイプ、使用するクラブによって異なります。重要なのは、自分の中で基準となる振り幅と、その距離を把握しておくことです。
一般的には、時計の文字盤を使って振り幅を表現することが多いです。例えば、「バックスイングが8時、フォローが4時」「バックスイングが9時、フォローが3時(ビジネスゾーン)」「バックスイングが10時、フォローが2時」といった具合です。練習場で、これらの異なる振り幅で実際にボールを打ち、それぞれのキャリーとランを含めた総距離を計測してみましょう。そして、10ヤード刻みなど、自分なりの距離の打ち分け基準を作ることが理想的です。力加減ではなく、常に一定のリズムで、振り幅の大きさだけで距離をコントロールできるように練習しましょう。
ロフトを立てて打つコツとは?
アプローチでボールを低く出して、ランを多く使いたい場合には、クラブのロフトを立てて打つテクニックが有効です。ロフトを立てて打つとは、インパクト時にクラブフェースの角度を通常よりも立たせた状態でボールを捉えることを意味します。
コツとしては、まずアドレスでボールを通常よりも右足寄りに置きます。そして、グリップする手を目標方向に少し押し出すように構え、ハンドファーストの度合いを強くします。これにより、アドレスの段階で既にロフトが立った状態になります。スイング中は、このハンドファーストの形をキープすることを強く意識します。特にダウンスイングからインパクトにかけて、手首のコックを解かずに、体の回転でボールを押し込むように打ちます。フォローも低く抑えるイメージです。この打ち方により、ボールは低い弾道で飛び出し、スピン量も抑えられるため、ランが多く出るアプローチが可能になります。
アプローチの練習方法でおすすめは?
アプローチの上達には、地道な練習が不可欠です。効果的な練習方法をいくつか紹介します。まず、同じ振り幅で打ち続ける練習がおすすめです。例えば、9時から3時の振り幅で、ひたすら同じ場所にボールを集める練習をします。これにより、その振り幅での自分の基準距離が身につきます。
次に、「片手打ち練習」も効果的です。右手一本、左手一本でそれぞれアプローチショットを打つことで、腕の使い方や体の動きとの連動性を養うことができます。特に左手一本での練習は、体の回転で打つ感覚を掴むのに役立ちます。また、「目標物を設定する練習」も重要です。練習場にカゴなどを置き、そこにボールを入れる、あるいは当てる練習をすることで、より実戦的な距離感と方向性が磨かれます。単調な練習にならないよう、様々な距離や状況を想定して練習に取り組みましょう。



よくある質問を確認しておくと、ラウンド中の迷いを減らす助けになりますよ。
アプローチの打ち方をマスターしてスコアアップを目指そう


この記事では、アプローチの基本的な打ち方から、距離や状況に応じた応用テクニック、さらにはよくあるミスの原因と解決策まで、幅広く解説してきました。アプローチは、スコアメイクにおいて非常に重要な役割を担っています。
グリーン周りでの一打の精度が上がれば、パーセーブの確率が高まり、ダボやトリプルボギーといった大叩きを減らすことができます。安定したアプローチが身につけば、スコアアップは目前です。今回紹介したポイントを参考に、まずは基本をしっかりと固め、そして様々な状況に対応できる応用力を身につけていきましょう。
練習場やラウンドで、一つ一つのコツを意識して実践を重ねることで、必ずアプローチショットは上達します。自信を持ってグリーン周りからピンを狙えるようになり、目標とするスコア達成を目指しましょう。安定したアプローチは、ゴルフをさらに楽しく、そして奥深くしてくれるはずです。